風の旅人 - さすらい人のつぶやき

スナフキンのように飄々と生きています

一人の女性を愛した画家 - ピエール・ボナール

画家というとどうしてもモテモテで、何人もの女性との関りに目がいってします。女性という美の象徴からインスピレーションを得ている、ともいえるが、もう少しどうなないものかという気もしている。

その中でピエール・ボナールはマルタという一人の女性を愛したという点で異色であろう。とにかく彼の作品にはマルタをモデルとした絵画がたくさんある。ただし、実際にはマルタと同棲中に一度浮気している。マルタはその浮気を責め、結局この事件の後ボナールとマルタは結婚している。その後浮気相手の女性は自殺している。

女性の自殺と言えばピカソもそうだ。ピカソの死後、2人の女性が自殺している。この画家に対する女性の想いの強さはなんなんだろう。いったいどれほどの魅力が画家にあるのだろう。

 

まあ、そんなことはいい。全ての偏見を取り除いて純粋に絵を楽しもう。現在国立新美術館ピエール・ボナール展。微妙に画風が変わっている様子が面白い。印象派特有の絵に動きを感じる。距離を置いてみれば見るほど味が出てくるのも印象派の特徴だろう。

その中でも一番心を動かされたのは展示の最後にあった「花咲くアーモンドの木」だ。

 

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距離をおいてみるとアーモンドの花が浮き上がって見えるのだ。とても不思議な体験を味わえる。こういうのはネットや印刷物で見ても分からない。

実際にそこに存在するものとして絵を鑑賞するのは全く異次元の体験だ。是非、美術館を訪れて実際の絵を見てほしい。